世界一周7カ国目:トルコ1日目②

日本を出て、カルチャーショックを受けたことの1つ。
人と動物がうまく共存している国、トルコ
駅からホテルへ向かう途中、イスタンブールの街を歩いていて驚いたことがあります。
それは、



犬!犬!犬!
それも何故か大型犬ばかり。
そしてほとんど寝転んでる(笑)
人間が近づいたって、動じないワンコさんたち。
さらに、



猫!猫!猫!
ネコさんたちも、かなりの数。人間が近づいても逃げたりしません。
モーリシャスを訪れたときも、穏やかな性格の野良犬さんたちに驚きましたが、トルコの野良犬・野良猫さんはその数がモーリシャスの比ではないのです。
トルコ国民の90%以上はイスラム教徒
驚いている私にMr.Nが一言、

こんなに人を怖がらないということは、人間が嫌なことをしない環境なんだろうな。
確かに。
しかし、私には1つ疑問が浮かびました。



トルコ国民の90%以上はイスラム教徒。
なのに、なぜ犬を可愛がっているの?
確かイスラム教で、犬は不浄の存在…汚れた存在として扱われるはず。
私の英語の先生は、イスラム教徒でテキストに犬が出てきただけでも、嫌な顔をしていました(笑)
そんな講師の影響でイスラム教に興味を持ち、
世界一周前にたくさんのイスラム教の本を読んでいたのでこんな疑問が沸いたんだと思います。
そこでAIに聞いてみたところ、こんな回答がありました。
トルコでは動物愛護法が整備されており、動物の権利が保護されています。
例えば、2004年に制定された法律では、動物虐待が禁止されており、動物の福祉を守るための具体的な措置が取られています。この法律は、イスラム教の慈悲の精神とも一致しており、動物を大切にする文化を支えています。
ほぉ…
つまり、トルコでは犬・猫が「1つの命」として、動物の権利を持っているんですね。それが、国民ひとりひとりの価値観ではなく、国規模で、法律で定められている。
この法律のため、トルコでは犬・猫の殺処分はもちろん生体販売数もゼロ。
なんて素晴らしい国なの!?
これぞLove&Peace、素敵すぎる。
日本、いや世界の国々も見習いたいところでしょう。
でも、なぜトルコはこれが実現できるのでしょうか。
街中でみつけたトルコの取り組み


「MinikDostlarumizn Besleyen Otomal」=小さな友達にエサをあげる機械
コインを入れるとペットフードが下のお皿にでてきます。
写真のとおり、大量のエサがあっても犬・猫はそこらへんに寝転んでいる。
つまり、動物たちもお腹がすいていないから余裕があって、穏やか。
乱暴な動物は一匹も見かけませんでした。
エサが下にたくさん出ていてもコインを入れる観光客たちも目にしました。
人と動物がお互い気持ちよく生きていける素敵な取り組みだなと思います。
最初の犬・猫写真にも映り込んでいるように、地域住民が犬や猫に水や食べ物を恵んでいる光景も普通でした。



他にも、野良ちゃん専用の救急車まで機能しているそう!
狂犬病リスクへの取り組み
しかし、やっぱり海外で動物とふれあう際、頭をよぎるのは狂犬病リスクでしょう。
「狂犬病」とは
狂犬病ウイルスを保有した動物から咬まれることにより感染し、発症すると100%死に至る恐ろしい病気。日本は狂犬病清浄国であり、狂犬病の発生はないが海外では毎年55,000人が死亡している。狂犬病という名前から犬から感染する病気だと思われがちだが、実際は「哺乳類」から感染する病気。よって、哺乳類全般に注意が必要です。
農林水産省:世界における狂犬病の発生状況(ヒト)
少し情報が古いですが、トルコ国内での狂犬病による死亡者数は
2014年が4人、2015年が2人、2016年が3人、2017年と2018年がそれぞれ1人です。
発症を抑えられている罹患者数も合わせるともう少し数が増えると思います。
数は多くありませんが、やはり注意が必要です。
トルコでは自治体の管轄で狂犬病ワクチンの取り組みもされています。
耳にタグがついている犬はワクチン接種済だそうです。
不妊去勢手術も自治体の管轄で


人間の倫理観でいくと、動物の去勢手術に対しての賛否両論はあると思います。
しかし、動物の繁殖スピードを考えると動物の権利を自治体の管轄で守っていくのには去勢手術は必要なことでしょう。野良犬・猫、両方に対して積極的に進められているそうです。



私のひいおばあちゃん家も、昔、野良猫が住み着いて、
いつのまにか赤ちゃんを産んで数が一気に増えたって言ってたな。
厳しい現実、2024年7月に成立した法案


しかし、そんなトルコでも2024年7月30日未明、人間の安全性保護の観点から野犬の捕獲や殺処分まで認めた法案が可決されたそうです。
動物の権利を保護する法律もあるのに…。
抗議デモが複数回行われた結果、
主要な野党である共和人民党は、この法律が可決されてから2週間も経たないうちに、憲法裁判所でこの法律の廃止を求めた。
と、やはり動物愛護の精神が強い国民が多く、そう簡単には動物たちを傷つけられません。
私がトルコを訪れたときも、実際に動物愛の強い国民性を感じたのは事実です。
しかし新法は以下を定めました。
政府は、野犬による襲撃の増加や狂犬病のまん延を防ぐため、病気、または抑制不可能と判断された野犬を殺処分するべきだと主張。その他の野犬は捕獲して動物保護施設に収容し、「里親」を見つけ出さなければならないとしている。
これが現実的に機能してしまったとき、トルコで暮らす400万匹にも上ると言われる野良犬たちが里親を見つけられるかというとハードルが高すぎる現状があるでしょう。
野良犬はほとんど見かけない日本ですら、保健所に収容されている里親募集がこれだけ出ているんですから。
保健所収容のすべてのペット里親募集情報 :: ペットのおうち【里親決定28万頭!】
人間の安全性保護の観点から可決された法案という前置きはありますが、強烈なインフレが常態化し、恐ろしいレベルの物価高に直面しているトルコ。
自治体がワクチン接種・去勢手術を負担している分、他のところで政府にも負担がかかっているのだろうということは容易に想像できます。
動物も人間も気持ちよく暮らせる社会の実現のために、トルコが今後どのような一途を辿るのか。
ここまで野良犬・野良猫を守ってきたトルコなんだから、動物愛好家が世界中から集まるような、観光スポットにして、観光収入でやっていけないのかな…と思うLilyでした。


トルコ旅行に行きたい!けれど、1人で不安な方は↓


私たち3人が出会った船↓

