絶景より人混み地獄!立山黒部アルペンルートで感じたオーバーツーリズムの現実と攻略法|長野

日本一周6日目

ずっと楽しみにしていた立山黒部アルペンルートでしたが、もう行くことはないな…と思うほどに、正直がっかりしてしまった、リアルレポです。

異論は認めます。一個人の意見として読んでください。

SNSではキラキラした絶景写真がたくさん並んでいますが、このブログでは「実際に起こったこと」を正直に綴っています。これから立山黒部アルペンルートを訪れる方が、後悔なく旅を楽しめるよう、リアルな体験を判断材料のひとつにしていただけたら嬉しいです。

行きたい方のために攻略方法もご紹介しています。

目次

超人気!立山黒部アルペンルートとは?

立山黒部アルペンルートは、長野県・扇沢と富山県・立山駅を結ぶ全長約37kmの山岳観光ルートで、北アルプスの雄大な自然を体感できる人気の絶景スポットです。

ルート内では、ケーブルカー・ロープウェイ・高原バス・電気バスなど、複数の乗り物を乗り継ぎながら、標高3,000m級の山々を縦断する迫力満点の旅が楽しめます。

中でも毎年春に登場する「雪の大谷(雪の回廊)」は特に有名で、最大20m近い雪の壁の間を歩ける大迫力のスポット。
夏は爽やかな高山植物、秋は色鮮やかな紅葉と、四季を通して人気な山岳ルートとなっています。

オーバーツーリズムの現実

私たちは長野県・扇沢駅側から雪の大谷のある室堂へと向かう「室堂コース」へ。

電気バス・徒歩・ケーブルカー・ロープウェイを乗り継いで室堂まで向かいます。
山から山を移動するので、ケーブルカーからは移動中にも絶景が見えるとのこと!
前日にJulianとSNSの写真を見て、楽しみにしていました。

チケット購入

私たちはチケットの予約はせずにやってきました。
日本一周の旅は、すべての日程が予定通りに進むとは限らないからです。

午前9時40分到着。

既にチケット売り場は人でごった返していました。

約20分並び、ようやくカウンターに来て言われた衝撃の一言。

チケット売り場

室堂までですか~。
室堂から扇沢までの最終が16:30になるんですよね。たくさんの人に来ていただいているので、室堂までいけても、人が多いので最終のバスに乗れない可能性があります。
日帰りの方には黒部ダムから先、もうチケットを販売できないかもしれません。黒部ダムまで行って、聞いてみてください。

扇沢駅では、黒部ダムより先にいけるかどうかの確認もできないとのこと。

2人で往復6,400円もかけて、「室堂まで行けますか?」って確認にだけ行くの?

しかも、現在10時過ぎ。

10時半発のチケットは既に完売していて、次に乗れるのは11時発です。

人混み嫌いの私は、1人だったら100%帰っていましたが、
雪の大谷をどうしてもみたいJulianはダメ元でも、行ってみたいとのこと…。

11時まで待って、ようやく乗れるバスが来ました。

こちらが電気バス。
これに乗って、中継地点の黒部ダムまで向かいます。
一番前に並んでいたので、バスの座席に座ることが出来ましたが、次々と乗り込みあっという間にぎゅうぎゅう詰めになりました。

黒部ダムまで耐え、バスを降りると次の駅まで5分ほどランニング。

急いで次のチケット売り場へ。

室堂へ日帰りで行きたいと伝えると…

チケット売り場

室堂へ日帰りですか。
人が多く帰り乗れるかどうか…
ちょっと確認します。

“立山黒部アルペンルートを完全になめていた。”

そんな気持ちがこみ上げながら、返答を待っていると相談している声が聞こえてきました。

「その人たちで最後にして」

うぉ~まじか。

聞こえてきた内容通り、私たちは最後の1組として行けることとなり、チケットを購入しました。

扇沢から室堂までの往復は12,300円。2人で24,600円。

高額チケットを握りしめ、ケーブルカーへ。

室堂に向かうまで

最後の一組に入ってしまったのが、ラッキーだったのか、アンラッキーだったのか。

これは間違いなく、アンラッキー。

それでも、来てしまったから…
同じ思いをする人がでないように、ここに残すつもりで書いています。

立山黒部アルペンルートは、オーバーツーリズムにも程がある。

多くが海外からの観光客で、日本語が聞こえてこない状況。

でも、この写真の時はまだアンラッキーの序の口にすぎず、さらにハードな時間が続きました。

ケーブルカーがやってくると、乗るときはみんな押し合い

高齢者が目の前にいるのに、回りを押しのけ、家族の席を寝転んで死守している人がいたり、もう本当に地獄絵図。

私も押されながら中に入って、すし詰め状態。

早くも帰りたくて仕方なかった。

すでに、Julianと話す余裕もないくらいには帰りたかった。

これは迫力満点の絶景が楽しめるロープウェイ。

迫力満点どころか、人しか見えない。

幸い右前の方が、私と同じ低身長だったので、この向きで呼吸をしてました。

身動きをとるのがやっとのケーブルカー、なんの魅力もない。

最後にまたバスに乗らなければなりません。

「おおかみ子供の雨と雪」のラッピングバスがあり、ほんの少しだけ元気を取り戻したのもつかの間。

バス乗り口に向かうまでのゲートが開くと、隣にいた中年女性に、思いっきり押されました。

Lily

危ないから、押さないで!

と日本語で言うと女性は小声で「あっ日本人…」と一言。

あなたなら、この一言をどう感じますか?

このオーバーツーリズムで押し合いの現状を目の当たりにして、私だってイライラしていました。
寝転んで座席を死守していた外国人観光客のマナーの問題なんて言うまでもありません。

しかし、相手が外国人だったら押していいのでしょうか?

そもそもどうしてこういうことが、起きるのでしょうか。

外国人観光客が増えることは決して悪いことではありません。

外国人観光客に支えられ、観光業で生計を立てている人は数え切れないほどいます。

自分が世界一周をしたときに気づいたこと。

訪れた土地で良い思い出が出来たり、現地の優しさに触れると、その土地が好きになる」すると、私はその土地が好きなので、何があってもその土地に爆弾を投げることはないし、何かが起きたときは、支援したいと思う。

こうやって、旅を通じて相手を知ることが平和に繋がる、平和は作ることができる

だからこそ、日本人も海外観光客もどちらも良い気持ちで過ごせることが大切です。

「お金儲けができればそれでいいの?」と問いたくなる立山黒部アルペンルートの経営方針、現地の状況は終始不愉快でした。

これが絶景?期待していた景色は何処へ

ようやく室堂に到着。

疲労が先行し、雪山に感動することもなく、大目玉の雪の大谷に行くことも無く、ただ一目散に人がいない方へ、人がいない方へと向かいました。

それくらい、道中ストレスフルの状態でした。

道もよく分からないけれど、ひたすら人のいないところを目指して歩いていると・・・

本当に誰もいないスポットまでやってこれました。(360°カメラで撮影)

みくりが池温泉方面です。

ここは綺麗だ✨

人混みから解放され、やっと心の余裕ができ、景色を楽しんでいるところへやってきたのはNHKカメラマンたち。

雪の大谷に観光客は殺到しますが、みくりが池温泉の方も綺麗な景色がみれました。

NHKの撮影が来ていたくらいですから、知る人のみぞ知るところなのかも知れません✨

綺麗な景色を前に、持参した軽食を食べ、一服しているとJulianから恐怖の一言。

Julian

雪の大谷、見に行こう。

「ここまで来たんだし」と自分を言い聞かせるも、本心ではなかなか乗り気になれないまま、来た道を戻りました。

来た道を戻れば戻るほど、また人が増えていきます。

立山黒部アルペンルートに来て良かった。思いがけない奇跡が起こる

Lily

ちょっとここ、入ろうよ。

再びやってきた人ごみ地獄で既に戦意喪失していた私は、人の少なそうな立山自然保護センターへ。

中に入ると、あら不思議。

ほとんど日本人しかいません。

ここにいたのか、JAPANESE。

謎の安心感につつまれました。

みなさんがここで見ているのはここ立山に生息する、「ライチョウ」という鳥の映像。

日本語音声のみだったので、日本人しか集まらない理由に納得しました。

座って、映像がみれ、人混みもない。居心地よし。

しかし、無惨にも時は過ぎ…

Julian

雪の大谷、見に行こう。

この男は人の多さにも屈っすることなく、行く気です。

Lily

え~、私は行きたくない。
行ってきていいよ!
私は上の階の展示をみてるから。

彼は、一緒に行こうとききません。

とりあえず展示を見に2階へ。

普段は階段で2階にあがるJulianですが、この日ばかりはどうしてかエレベーターのボタンを押してくれました。

そして2階へ。

ピーン

エレベーターのドアが開くとともに私たちは驚きの声をあげました。

Lily

ええええええええええええ!!!

ドアが開いた先に居たのは、なんと!

同じ世界一周船に乗って、ともに世界を旅したKちゃん。

九州に住む彼女と長野県で奇跡の再会でした。

こんなことってあるんだね😲

この日の私たちは、たまたまピースボートの地球一周Tシャツまで着ていました。

何事にも挑戦して、いつもニコニコ笑って素敵なKちゃん。

大好きなお姉さんです。

Kちゃんと私はイースター島も一緒に旅した仲。(ごろごろ転がっている岩みたいなの複数のモアイ

Kちゃんに会えたことで、戦意喪失していた私はこのあとLv100まで回復し、雪の大谷に行く気になるまでに(笑)

本当に嬉しかった出来事で、ここに来るまでは最悪だったけれど、「来てよかったな」と思えました。

Kちゃん、本当にありがとう✨

元気がみなぎって、雪の大谷へ

後で気づいたんですけど、後ろの人とポーズ、リンクしてる(笑)

雪の大谷は想像通りのすごい人でしたが、ツアー団体の合間合間にこのような人が少ないエリアが発生していました。

あたたかいのに、溶けずに残っている雪はやっぱりまだまだ不思議です。

オーバーツーリズムの限界点。立山黒部アルペンルートは対策が必要だと思う。

立山黒部アルペンルートでは、せっかく綺麗な景色があるのに、オーバーツーリズムによる疲弊が先行してしまいました。

地球をぐるっと一周し、国内外をたくさん旅しているけれど、今までで圧倒的ワースト1の観光地でした。
二度と行きたくない。

帰り、ケーブルカーに乗るときもこの上なくひどかったです。

スタッフが観光客を押し込み、ケーブルカーに乗せます。

押し込まれるのが嫌な人たちは次に乗ろうと手前で待っていますが、スタッフが「どこに乗っても一緒だから💢」と声を荒げる始末。

訪れた人は嫌な気持ちで帰ることになります。

働く人も疲弊しているから、こんな不親切極まりない行動・言動にいたるのだと思います。

「なんのための観光地なんだろうか」

今の立山黒部アルペンルートには、12,300円の価値を私は見いだすことができません。

これだけの設備や乗り物があれば、もちろん維持費がかかるでしょう。

しかし、今の現状を放っている限りは、オーバーツーリズムにより環境は壊れ、働く人・観光客双方にとってストレスな環境であり続ける。

それは外国人観光客のせいではなく、オーバーツーリズムを防ぐために対策を講じない観光地の責任です。

金額を見る限り既に値上げされているように感じますが、値上げをして入山規制をするだとか、海外のように、日本人と外国人観光客は別に料金システムを設け(そもそも物価が違うので)、日本人にも外国人にも過ごしやすい環境をつくる対策を早急に対策を講じてほしいと思います。

日本の良いところを守っていくために。

私たちが訪れたのは雪の大谷シーズンで特に混雑していた可能性はあります。
他の季節も同様なのかは分かりません。

最後に:立山黒部アルペンルート攻略方法

↑帰りはツアー客を迎えに来るバスがひっきりなしに到着。

どうしても、立山黒部アルペンルートに行ってみたい方には攻略方法についてまとめておきます。(日帰り)

  1. 早朝出発はマスト。(時期により異なるが、始発は6時半からあり。ツアー客が来る前に到着必須。)
  2. 扇沢方面からの場合は、黒部ダム観光は後にして、先に室堂まで行く
  3. 雪の大谷が1番混雑するので、人の少ないうちに制覇しておく
  4. みくりが池温泉方面へ歩き、絶景を楽しむ
  5. 帰る際に黒部ダム観光

事前調べは必須です。

旅先は、良い思い出を残すことに限りますね。

読者さんたちが素敵な思い出を作れるよう、これからも旅先のリアルをお見せします。


実はこの晩、宿で不思議な体験をしました。

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