2024年9月、私は世界一周の途中でトルコを訪れました。
トルコ・イスタンブールの3日滞在記はこちらから
旅の前は、ネットで「トルコは物価が安くてコスパ最強!」「今はトルコリラが崩壊しているから、安く旅できる!」と紹介されていたので、楽しみにしていたのですが…
実際に行ってみると衝撃の連続。
結論から言うと、トルコでインターネットの情報はもう通用しません。現在のトルコは、強烈なインフレで物価が尋常じゃないくらい上がっていました。
この記事では、そんな“事前のネット情報と現実のギャップ”をリアルな体験とともにまとめました。
「今トルコ旅行に行く人」が知っておくべき最新物価・注意点・詐欺情報を総まとめしています。
トルコリラの現状

この記事を執筆している2025年6月現在、為替レートは1トルコリラ=3.67円を記録しています。
私が訪れた2024年9月は1トルコリラ=4.14円だったので、今は少し円高の動きとなっていますが、中東情勢の悪化や、失業率の高騰など、政治・経済的にまだまだ不安定な状況に置かれています。
「ネット情報が全然ちがう!」トルコの物価が高すぎて泣いた
デジタル世代の私たちは、旅行前に必ずネットで旅先の情報を調べるでしょう。
しかし、トルコだけはネット上の誤情報がありふれており、現地で泣く羽目に。
以下にご紹介するのは、トルコ滞在で私が実際に遭遇したネット情報と現実世界の乖離です。
サバサンド 15リラ→160リラ
ネット情報ではサバサンドは数々の旅ブロガーが15リラと紹介されていました。一緒に旅した仲間も、昔は100円くらいだったと…しかし実際は、同じサバサンドが160リラで660円超え。
地下宮殿入場料 30リラ→900リラ
観光地の入場料も例外ではありません。200円程度と書いてあった地下宮殿は4,000円近くかかりました。
アヤソフィア+美術館入場料 無料→25ユーロ
無料と書かれていたアヤソフィアまで、2024年1月15日から外国人のみ入場料がかかるようになっています。外国人のみなので、値段もリラではなくユーロ表記でした。文化継承、建物の保護などの観点から、入場料徴収開始は理解できますが、いきなり入場料25ユーロ、4,000円以上、美術館付きで8,000円の価格設定となってしまうトルコの物価です。
トルコアイスの話
せっかくトルコに来たので、観光地でトルコアイスを買おうとしたら、1つ300トルコリラ(約1,250円)でした。観光地価格+インフレ+円安のトリプルパンチ。もう、トルコアイスは屋台で気軽に買えるアイスではありません。

ニホンジン、ホント、オカネ、ツカワナクナッタネ!!!
って日本語で嫌味言われちゃいました。そりゃそーだ、日本人も円安でお財布が厳しくなってる国だから。
でも、こんなこと言われちゃう国になってしまったのが、シンプルに悲しかったです。
逆手に取って考えると、日本で食べられる本格的なトルコアイスは1,000円もしないので、現地で食べるより超お買い得ということになります(笑)最近見なくなりましたね。私が知らないだけかな?
トルコは「ぼったくりの国」なのか?インフレの正体
私たちが経験したトルコの異常な物価高は、単なる「ぼったくり」ではなく、トルコ経済の超インフレが原因です。
トルコのインフレ率(参考:私たちの旅した2024年時点)
- 公式発表で年間50〜60%超
- 最低賃金も上がってはいるが、それ以上に物価上昇
通貨「トルコリラ」の価値が大幅に下がり、トルコ国内でも「毎月ものの値段が変わる」状態。現地の人でも、家賃が次の月から2倍、3倍…と上がっていく状態です。これでは観光客向け価格が数倍〜数十倍になっていても不思議ではありません。
具体的にわかりやすくまとめると、2020年には1トルコリラ=約14円だったのが、私がトルコを訪れた2024年9月には約4.1円まで下がっており、この4年間で約60%の価値が失われたことになります。
つまり、私がみたネットの誤情報の数々は、日本人にわかりやすく「入場料は○○リラ(△△円)でした」と日本円まで書かれていますが、スーパーインフレの影響でその人が訪れたときには正確だった情報が、すぐに誤った情報となり、ネット上に散乱している状態にあったわけです。
現地の人も大変なのはわかります。でも、メーターを使わないタクシーや、明らかなぼったくりが多いのも現実。旅行者としてはやっぱりつらいです。
私たちもリアル詐欺師に遭ったよ↓
他にも、レストランでオーダーしたのに提供されなかったジュースの料金まで請求されたり、1つしか頼んでいないケバブを2つ出してきたり、こちらが気づかなければ淡々とお金を請求するという、トルコスタイルの嫌な感じも体験しました。素敵な国なのに、正直気分がげんなりしてしまうことはありました。
日本も他人事じゃない?円安が進む今だから感じたこと

円安でトルコ以外の国も含め、海外旅行が高く感じられたのは事実です。
トルコのインフレに苦しむ人々の姿は、決して他人事ではなく、これからの日本の可能性を映しているようにも感じました。
現に、2024年9月の旅中は「1円=4.14リラ」だったのに、今は「1円=3.68リラ」。
価値が崩落していたあのトルコリラより、日本円のほうが価値を落としている現状です。
想像してみてください。お金の価値が2年で1/3以下になっているトルコ。その分物価は上昇し、たった1年で物の値段が3倍、4倍、5倍・・・ライフラインである公共交通機関の値上げ率もその例外ではなく、どんどん上がっていきます。
あなたの頑張って貯めた貯金100万円はたった2年で33万円の価値しかなくなり、
今はJR西日本の初乗り運賃140円が、560円に跳ね上がる感覚です。
日本もどんどん物価が上昇していますが、同様のペースであがってくれない給料。
日本円が弱く、悪化すればするほど、同じことが起きるでしょうね😱
トルコ旅行前に絶対知っておくべきこと
✅ 旅行前の情報収集は、いつの情報なのかを確認する
旅行ガイドブックやブログでは情報が古いことも多いです。いつ発信された情報なのかは必ず確認しておきましょう。
✅ クレジットカード・現金を併用、イスタンブールカード利用
カードは大体どこでも使えました。ただし、「カードだと10%高くなる」と言われることもあるので(海外あるある)、トルコ旅行に行く場合は、現金との併用がベスト。
そして、トルコで公共交通機関を使用予定の方は、運賃が大幅に安くなるイスタンブールカードの利用を!
ややこしいイスタンブールカード・イスタンブールシティカードの購入も間違えると痛い出費となりますので、こちらの記事を参照して、間違えないように購入してください!
最後に|じゃあ、いつトルコに旅をするのがいいのか。

強烈なインフレに陥っていたトルコを旅して痛感したのは、どんな国でも状況は刻々と変わるということ。
まさに、諸行無常とはこのことですね。
世界一周旅行に旅立つ前、働いていた病院の先生から「こんな円安のときに海外に行くの!?」と言われたことがあります。
それでは、いつ円安は落ち着くのでしょうか。そのとき私は何歳なんでしょうか。何をしていて、気ままに旅行ができる状態なのでしょうか。
突然世界を襲ったコロナ禍のように、今旅ができるのは当たり前ではありません。
詐欺師の多さとインフレのせいでトルコはぼったくりの国だ!と言いたくなりましたが、世界を一周して、全ての国を見た上で伝えたい、一番町並みが可愛いのは圧倒的にトルコでした。1番きらびやかだったのはポルトガル。
おもちゃ箱をひっくり返したようなカラフルな町並みのトルコ、行く価値は存分にあります。
そして以前記事でも書いたように、トルコは動物愛護の観点からも素晴らしい国です。国の資産価値が大幅に下がって、国のお金が厳しくても、動物たちの権利を守るため、ワクチン代や去勢費も国が負担している。さらに地元住民たちも、自分たちの生活が苦しいのにも関わらず、犬・猫用の餌を持ち歩いたり、街中はエサ箱が設置されていて、動物たちを飢餓に苦しませない環境が成り立っている。
詐欺師やぼったくりなど、悪い人たちが目立ってしまいますが、優しく素敵な国民性もやっぱり私は好きです。
うんざりするようなことをたくさん書きましたが、なにより物価が高いといっても、元が安すぎる国なので、観光地を離れれば、物価が上昇した今の日本と同じくらいの値段でした。※観光地入場料や人気観光地のカッパドキアは桁違いに高いです。
なので、あまり構えすぎず、円安を気にするのはほどほどに、素敵な旅にしてください。
おまけ|3日間の滞在費用公開
おまけで、3日間トルコに旅した費用総額を公開!(お土産代は個人差があると思うので除外しています)
3人分で記載しています。ブルガリアまでの寝台列車代金込みで、1人あたり34,740円でした!

